
みなさまこんにちは。
鈴木耳鼻咽喉科 大阪鼻サージクリニック院長の鈴木です。
診察室で患者さまとお話ししていると、時折「先生はどうして耳鼻科のお医者さんになったのですか?」と聞かれることがあります。実は、私がこの道を選んだ背景には、幼少期の環境や学生時代の経験、そして意外な趣味との共通点など、さまざまなストーリーがあります。
今回は少し趣向を変えて、私、鈴木がなぜ「耳鼻咽喉科医」を志したのか、そのルーツと医療に対する想いについてお話しさせていただきます。
始まりは「外科医」への憧れから
私の父は内科医でした。身近で働く父の姿を見て育ったため、幼い頃から自然と医師という職業を意識してはいましたが、最初から耳鼻科を目指していたわけではありません。学生時代の私の心は、どちらかというと「外科」にありました。「自分の手を使って、処置や手術を行い、目の前の患者さまを治したい」という強い想いがあったのです。
医学部での実習中、さまざまな診療科を回る中で、内科と外科の違いを肌で感じました。父のような内科の仕事も尊いものですが、私にとっては、手術を中心としたタイムスケジュールの中で、実際に手を動かして治療を行う外科系のスタイルが非常にしっくりきたのです。
そこから「外科医になる」という目標を定め、次にどの分野の外科に進むべきかを深く考え始めました。
候補の中から「耳鼻咽喉科」を選んだ理由
当時、候補に挙がっていたのは整形外科、形成外科、眼科、そして耳鼻咽喉科(頭頸部外科)でした。
それぞれの科には魅力がありましたが、私の性格や「やりたいこと」を照らし合わせたとき、耳鼻咽喉科には他の科にはない「圧倒的な多様性」があったのです。
例えば、耳鼻咽喉科の手術には大きく分けていくつかのスタイルがあります。
〇肉眼で行う大きな手術(がんの手術など)
〇内視鏡を駆使する手術(鼻の手術など)
〇顕微鏡を使う繊細な手術(耳のマイクロサージェリーなど)
整形外科はダイナミックな良さがありますが、少し大雑把に感じられる部分もありました。
一方で形成外科や眼科は非常に繊細ですが、顕微鏡での手術(マイクロサージェリー)に非常に特化しています。
その点、耳鼻咽喉科は実に多彩です。頭頸部がんのような手術から、内視鏡を使った緻密な鼻の手術、さらには顕微鏡下での極めて細かな耳の手術まで、ひとつの科の中にこれほど多様な術式が存在する分野は他にありません。 「ここなら、一生飽きることなく技術を研鑽し続けられる」。そう確信したのが、耳鼻咽喉科を選んだ最大の決め手でした。
「治療」へのこだわりと医師としての使命感
最終的に耳鼻咽喉科を選んだのは「治療のバランスの良さ」という側面を重視したからです。
当時の私は、災害医療やがん治療のように、「病気を治し、命を助ける」という医療の原点により強く惹かれていました。耳鼻咽喉科は頭頸部がんの担当科で診断から治療までを単独の科ですべて対応します。
耳鼻咽喉科は「風邪の専門家」でもあります。上気道の専門家として、喉の腫れや肺炎の治療も行えば、めまいやアレルギーといった内科的なアプローチが必要な疾患も扱います。 手術という「攻め」の治療だけでなく、投薬や処置によって全身の状態を管理する「守り」の医療も兼ね備えている。このバランスの良さも、私にとっては大きな魅力でした。
音楽と耳鼻科の不思議な縁
もうひとつ、プライベートな理由として「音楽」の存在があります。
実は私は学生時代、軽音楽部で音楽に打ち込んでいました。耳鼻咽喉科は「音を聞く(耳)」、「声を出す(喉)」という、音楽に直結する感覚器を扱う科です。
不思議なことに、耳鼻咽喉科医には元軽音楽部や合唱部など、音楽を愛する医師が非常に多いのです。 自分の好きな「音」や「声」のメカニズムを深く知り、それを守る仕事ができる。このリンクを感じたことも、この道に進む後押しとなりました。
誠実な医療を、最短距離で届けるために
こうして耳鼻咽喉科医となった私が、日々の診療で最も大切にしているのは「真摯な医療を届けること」です。
まずは、きちんとした正しい診断を行うこと。当たり前のことのように聞こえますが、これが医療のすべての出発点です。その上で、今の医学で提供できる最善の治療を、患者さんがしっかりと受けられるように導くこと。
悩んでいることに対して、最短距離で解決できる方法を提示し、少しでも早く健やかな日常を取り戻していただきたい。そのために、私は今日も研鑽を積み、診察室で皆さまと向き合っています。
お鼻の悩み、耳の違和感、喉の不調など、どんな些細なことでも構いません。何かありましたら、いつでも当院を頼ってください。かつて私が憧れた「外科医」の繊細な技術と、地域医療を支える温かさを大切に、誠心誠意サポートさせていただきます。